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日本新薬社長 前川重信氏

世界展開を加速する
 まえかわ・しげのぶ 同志社大文学部卒。1976年、日本新薬入社。経営企画部長、執行役員を経て、2005年に取締役就任。07年から現職。滋賀県出身。65歳。
まえかわ・しげのぶ 同志社大文学部卒。1976年、日本新薬入社。経営企画部長、執行役員を経て、2005年に取締役就任。07年から現職。滋賀県出身。65歳。

 日本新薬が、今年から製薬業界で初めてMR(医薬情報担当者)に勤務時間を自由に決められるフレックスタイム制を導入するなど、働き方改革に注力している。新薬販売も好調で、2018年3月期決算は初めて売上高が1千億円を超える見込みだ。前川重信社長は海外展開を強化し、成長を目指す考えを示す。

 -MRのフレックスタイム制のほか、昨春から各課で一つ不要な業務をやめるなど、業務の効率化に力を入れているが、狙いは。
 「人の健康と豊かな生活に貢献するのが企業理念。19年に迎える創立100周年に向けて、それを社員においても実現しようと考えた。MRは医師の都合に合わせた早朝や夜間の勤務が多かったが、フレックス制の導入で柔軟な働き方ができるようになった」

 -遺伝子に作用する薬で、国内で初めて臨床試験が進む核酸医薬品の開発状況は。
 「デュシュンヌ型筋ジストロフィー治療用の核酸医薬品が、日米で臨床試験のデータを解析中だ。両国で承認審査を迅速化する制度の対象となっている。解析の結果次第だが、最短では日米で19年度中の発売を目指している。米国での販売はリスクを抑えて他社に任せるか、より利益率が高い自社で行うかを早く決めたい」

 -海外戦略についての考えは。
 「肺動脈性肺高血圧症治療剤が米国で好調で、18年度まで5年間の中期経営計画で目標としていた『海外売上比率2割』も達成できそうだ。国内の薬価が今春の制度改定でかなり引き下げられるだけに、次の計画では比率を現状以上にするなど、自社製品の世界展開を加速させたい」

 -政府による今春の薬価改定の影響は大きいか。
 「後発品が無い新薬まで薬価が下がるようになった。自社の対象製品が多いため、影響が大きい。業績に響くだろう。国内企業の新薬開発意欲が減退し、患者に新薬を届けるのが遅れることにならないかと危ぶんでいる」

【2018年04月06日掲載】