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TIMEandDESIGN社長  水木ユキさん

伝統工芸の展開支援
TIMEandDESIGN社長  水木ユキさん
TIMEandDESIGN社長  水木ユキさん

 国内外で工業デザイナーとして働いた経験を生かし、伝統産業職人と、海外のデザイナーらをつなぐ橋渡し役となることを目指している。伝統工芸品の新商品開発や販路開拓の支援を主力事業としており、「伝統産業を活性化させたい」と意気込む。

 高校生の時、「英語の仕事をしたい」と北米留学を経験した。ものづくりが好きで、京都市立芸術大では工業デザインを学んだ。就職したダイハツでは内装デザインを担当。親会社のトヨタの米国拠点で約1年半、車内のデザインに携わったこともあった。

 転機は、2013年ごろ。転職先の米自動車部品大手の日本法人を退職し、次の仕事を探していた時だった。京都で親類の染物店を訪問した際、「日本の伝統技術はすごい」と感銘を受け、全国の陶器や漆工芸などの職人を訪ね歩いた。別の会社に再就職したものの、伝統産業を元気にしたいとの思いを断ち切れず、16年6月に起業した。

 まず取り組んだのは、商品のPR動画を簡単に制作できるスマートフォン用アプリ「ワザプチャー」の開発、配信だ。伝統工芸に隠された物語や職人の思いを分かりやすく伝えるのが狙いで、このアプリやカメラを使って商品動画の受託制作を行っている。

 「日本にはこんな伝統技術があるのだと世界に知ってもらいたい」との思いが強く、日々、インターネットを通じて伝統職人の情報を英語で発信。知り合った国内の職人は約300人を超え、日本の技術に興味を持った海外デザイナーらを工房に案内したこともある。

 伝統産業は後継者不足などで厳しい状況にあるが、「技術の高さは世界に通用する」と力を込める。「デザイナーの考えが分かり、英語で交渉できるのが自分の強み。要望に沿った職人を紹介することで海外のデザイナーらから売り上げを得るビジネスに育てたい」と世界を見据える。

みずき・ゆき 京都市立芸大プロダクトデザイン専攻を卒業後、ダイハツに入社。2011年に退職し、米部品大手の日本法人やキヤノンを経て、16年に起業。17年1月に現在の会社を設立。趣味は茶道や自転車。夫はイタリア人。京都市南区在住。

【2018年04月08日掲載】