京都新聞
紙面特集

龍谷ミュージアム春季特別展
「お釈迦さんワールド ―ブッダになったひと―」
龍谷大龍谷ミュージアム

お釈迦さん 横顔迫る

「誕生釈迦仏立像」統一新羅
(8~9世紀)広島・康徳寺

 世界三大宗教のひとつ、仏教の開祖ガウタマ・シッダールタの人間像を紹介する春季特別展「お釈迦(しゃか)さんワールド」が21日、龍谷大龍谷ミュージアム(京都市下京区)で始まる。数々の神格化された伝説に彩られた生涯と、信仰が生まれた背景を古今東西ゆかりの品々で紹介する。

仏教開祖シッダールタ

 紀元前5世紀前後、チベット高原やヒマラヤ山脈の南部に位置するルンビニーで、シャーキャ族の王子として生まれたシッダールタは、現在のインド北部のボードガヤーで悟りを開いたとされる。

 シッダールタが活動したのは、世界各地が社会的に大きく地殻変動を起こした時代。気鋭の思想家が次々に登場した。春秋・戦国時代で小国乱立の中国に孔子(紀元前551~479年)、ギリシャのソクラテス(同470~399年)やプラトン(同427~347年)らだ。

 シャーキャ族が活動するインド北部では貨幣経済が本格的に始まり、商業などで力をつけた新興勢力が台頭。新しい哲学が求められていた。シッダールタは「バラモン教の最上位身分・司祭階級に次ぐクシャトリア(武士)出身とされている」と、龍谷ミュージアムの岩井俊平学芸員は語る。

生涯や信仰の背景を紹介

 展示は「釈迦の生きた時代」「生涯」「仏教徒による追慕」「舎利信仰」に4区分。日本では珍しい悟りを開く前の太子の頃の坐像、幻の経典・十二門経、シッダールタが生きた時代の異国の芸術品などを通じ、たぐいまれな世界的思想家の人となりを浮き彫りにする。

 また、手塚治虫さんの生誕90年を記念し、漫画「ブッダ」(1972~83年に連載)直筆原画も展示する。緻密な取材を基に、さまざまな逸話を巧みに組み合わせた独自の人物造形と物語世界が楽しめる。期間中は、記念シンポジウムに加え、手塚プロダクションの松谷孝征社長による講演が予定されている。


「ブッダ」1972年9月号~1983年12月号
「希望の友」~「少年ワールド」~「コミックトム」連載
©手塚プロダクション

「釈迦三尊像(中尊)」伝顔輝筆
中国・元(14世紀)鹿王院
※展示期間4月21日~5月20日

重要文化財「涅槃変相図」
鎌倉~南北朝(13~14世紀)岡山・遍明院
※展示期間5月22日~6月17日
仏伝浮彫「降魔成道」ガンダーラ
(2~3世紀)兵庫・永澤寺

「馬形リュトン」中央アジア
(前4世紀)MIHO MUSEUM
「十二門経」鎌倉時代(13世紀)大阪・金剛寺
案内
■期     間4月21日~6月17日 前10時~後5時(入館は後4時半まで)
月曜休館(4月30日は開館)、展示替えあり
■入  館  料一般1200(1000)円、高大生800(600)円、小中生400(300)円
※かっこ内は前売り及び20人以上の団体
■主     催龍谷大龍谷ミュージアム、京都新聞、日本経済新聞社
京都市下京区堀川通正面下ル(西本願寺前)
075(351)2500
【記念講演会】▼5月6日後1時半、龍谷大大宮学舎東黌302講義室
「釈迦の説法」立部祐道師(真言宗御室派管長、総本山仁和寺第50世門跡)
       ▼5月27日後1時半、龍谷大大宮学舎東黌302講義室
「中国の釈迦信仰と仏伝図」稲本泰生・京都大人文科学研究所教授
       ▼6月3日後1時半、龍谷大大宮学舎東黌303講義室
「手塚治虫からのメッセージ」松谷孝征・手塚プロ代表取締役社長
※講演後、松谷氏と入澤崇・龍谷大学長との対談あり
【記念シンポジウム】▼4月28日後1時半、龍谷大大宮学舎清和館3階ホール
西谷功・泉涌寺心照殿学芸員の基調報告と討論会
     ※講演、シンポとも事前申し込みと観覧券必要(半券可)
【月夜の落語会と噺家ギャラリーナビゲート】▼6月2日後6時、館内エントランスホール
月亭天使、桂米紫氏の落語と解説、観覧券付き2千円、事前申し込み必要
【ワークショップ・写仏散華をつくろう】▼5月13日前10時半と後2時、館内講義室
観覧券(半券可)と別に300円、事前申し込み必要
【スペシャルトーク】▼5月12日と26日後1時半、館内講義室で学芸員が解説。観覧券必要(半券可)
【ギャラリートーク】▼5月5日と19日後1時半、展示室で学芸員が解説。当日の観覧券必要(半券不可)
【2018年4月17日付京都新聞朝刊掲載】