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インデックス

(487)まるで友だち、やさしい雲

作品

・よけられてすねてしずんだ鍋(なべ)のねぎ
京都市・北白川小6年 澤田 櫂 

・ゆたんぽに犬も前足そろえてる
京都市・ノートルダム学院小2年 神長 龍飛

・霜柱わざわざ遠くにふみにいく
亀岡市・吉川小5年 松田 絢心

ねんてん先生

ねんてん先生の575

 今季(1~3月)の優秀句の発表です。

 まず澤田さん。ネギをこのように見たら、鍋料理がとても楽しくなります。「すねたネギ君、ぼくが仲良くして食べてあげるよ」と言ったら、ネギがきっとよろこぶでしょう。ハクサイはどうでしょうか、トウフは? 鍋のほかの具たちはどんな感じなのでしょうか。

 神長さん。犬がとってもかわいいです。澤田さんのネギもそうですが、ネギや犬を人と同じものとして見ています。このような表現のしかたを擬人法(ぎじんほう)と言います。「そろえる」動作は人の動作で、犬はおそらく「そろえる」とは思っていないでしょう。でも、擬人化して、犬が前足をそろえてゆたんぽにあたっている、と見ると、犬が親しい仲間というか、友だちのように見えますね。それが擬人法の効果です。

春になってツバメが帰ってきた。
春がかけあしでやって来た。
春の雲がやさしい。

 右のような言い方が擬人法です。

 松田さん。「わざわざ」がとてもいいです。なにかをわざわざする、その「わざわざの行動」は、私たちを前へ押し出します。たとえば、パンを買うとき、わざわざ隣町(となりまち)のパン屋へ行くと、その途中でいろんなものに出会います。パンもいつものパンとは違っているかも。なにかをわざわざする、そんな人って、なんだかいいなあ。
(俳人、京都教育大・佛教大名誉教授 坪内稔典)

 

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【2019年03月24日掲載】