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三洋化成工業社長 安藤孝夫氏

高収益体質に脱皮へ
安藤孝夫氏
あんどう・たかお 大阪大大学院工学研究科修了。1977年三洋化成工業入社。98年に取締役になり、研究本部長、国際事業推進本部長などを歴任。専務を経て2011年6月から現職。大阪市出身。65歳。

 三洋化成工業が、10年先の2027年度を見据えた中期経営計画(中計)を策定した。おむつ用の高吸収性樹脂などの主力商品が競争激化に直面する中、「変える」をスローガンに、高収益体質に脱皮する戦略を描く。安藤孝夫社長に狙いを聞いた。

 -中計では27年度の売上高を17年度比で1・5倍の2500億円に引き上げる目標やスローガンを定めた。以前の中計は4年間だったが、なぜ10年先の目標まで設けたのか。
 「以前から社員が誇りを感じる長期ビジョンを定めるべきだと考えていた。そこで1年掛けて、『グローバルでユニークな技術で社会に貢献する』という理念を決めた。今後は、強みである界面制御技術で顧客の困り事を解決する事業に力を入れる。27年度の売上高目標も設定はしたが、近年は原油高で原材料費が高騰するなど、環境の変化も大きい。利益率を重視し、高付加価値製品にシフトしていく。そのために『変える』をスローガンに掲げた」

 -中計では風通しのよい職場風土の醸成なども盛り込んだ。
 「これからの時代、成長には女性や高齢者、障害者などの多様な人材の活躍が必要だ。そのため、社長室を開放したり、社長に直接提案できる仕組みを設けたりして、組織を柔軟、迅速に変えている。さらに組織の風通しを良くしたい」

 -高吸収性樹脂は、競争が激化している。どう対応するのか。
 「これまでは旺盛な需要に対応して増産し、売上高400億円を超える事業に成長したが、今後はやり方を変える。付加価値を高め、売り上げを落としてでも利益を確保していく」

 -近年、働き方改革に力を入れている。
 「業務を効率化して長時間労働を無くし、社員には社外の人と交流するなどして成長してもらいたい。1時間単位の有給休暇なども導入し、好評だ。徐々に社員の考えも変わってきた。在宅勤務なども検討中だ。ただ、数字だけが残業ゼロとなり、実際は持ち帰り残業をすることがないよう注意している」

【2018年08月02日掲載】