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働き方変え、個性生かす

JTB執行役員 高﨑邦子さん
JTB執行役員 高﨑邦子さん
JTB執行役員 高﨑邦子さん

 今年4月に全国の地域会社などを再統合した国内最大手の旅行会社JTBで、女性初の執行役員に就任した。担当は、働き方改革とダイバーシティーの推進。3万人のグループ従業員を抱える組織で、一人一人の能力や個性を生かせる風土作りに奔走する。

 新会社が前面に打ち出したのがカルチャー改革だ。主眼は多様な人材を生かし、新たな価値を生み出す組織へと進化させること。特に女性を重視し、研修や人事評価、働き方の見直しに着手した。

 添乗業務もこなす営業職の若手女性を集めた「なでしこフォーラム」はその一つ。全国に散らばる女性たちが仕事や生活の悩みを語り、キャリア形成を支えた。全国の支店も巡り、女性従業員比率が平均より高い京都支店を「JTBのモデル店にしたい」と強調。人材育成にも腐心し、「綱をつけて部下を管理する鵜飼い式でなく、自由な羊飼い式で社員に多くの経験を積ませたい」と狙いを話す。

 旅行業を志した原点は、大学の自動車部で経験した中国遠征だった。レーシング選手として中国大陸を行脚。訪れた先々で第一線で働く女性と出会い、衝撃を受けた。「人生観を変えた旅だった。新たな体験や発見をお手伝いする仕事がしたいと思った」

 入社後に担当した教育旅行は今も忘れられない。東京のホテルで本格的なコース料理を体験し、テーブルマナーを学ぶプランを企画。教員の心配をよそに、中学生たちは目を輝かせ、不慣れな食器で料理を楽しんだ。「卒業したら住み込みで働きます。その前にこんなにうれしい旅行ができてよかった」。食事後に男子生徒から受けた感謝の言葉を支えにしてきた。

 2月から家族と離れ、東京に単身赴任している。思春期の娘が寂しそうな時は、退社後に空港に直行。兵庫県の自宅で一晩過ごし、翌朝には空路で出社する。極意は「時間管理を徹底し、会社を出れば母になる」ことだ。「どんなに忙しくても仕事は持ち帰らない。その方がかえって集中でき、はかどるんですよ」

たかさき・くにこ 関西学院大法学部卒。1986年、日本交通公社(現JTB)入社。関西営業本部広報課長、JTB西日本CSR推進部長、同教育旅行神戸支店長を経て18年4月から現職。兵庫県芦屋市出身。55歳。

【2018年12月09日掲載】