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滋賀県、魅力度全国38位

琵琶湖と食、強み生かせ
セミナーで地域ブランド調査を基に滋賀県の魅力度アップの方策を助言する田中章雄氏(大津市におの浜1丁目・ピアザ淡海) 魅力度ランキング
セミナーで地域ブランド調査を基に滋賀県の魅力度アップの方策を助言する田中章雄氏(大津市におの浜1丁目・ピアザ淡海) 魅力度ランキング

 47都道府県の「地域ブランド」力に関する民間調査で、滋賀県が大きく順位を下げたことが県内の観光関係者に衝撃を与えた。2018年の滋賀県の魅力度は全国38位にとどまった。理由や改善策を探ろうと、このほど大津市で開かれたセミナーでは、専門家が「琵琶湖や近江牛を生かせていない」「突出したイメージがない」と指摘。観光誘客促進に向けて、独自コンテンツのPR強化が課題になりそうだ。

 調査は民間シンクタンク「ブランド総合研究所」(東京都)が06年から毎年実施しており、比較的詳細なデータとして注目されている。全国3万人を対象にした調査で、滋賀の魅力度は17年(28位)から10ランクも後退。2位の京都、6位の奈良、7位の大阪、36位の和歌山をも下回り、近畿で最も低かった。

 「滋賀には素晴らしい魅力があるが、伝わらなければ宝の持ち腐れだ」。セミナーでは、ブランド総研社長で、地域振興の助言もしている田中章雄氏(59)から厳しい言葉が飛んだ。

 滋賀を「とても魅力的」と回答した人が3・4%だったのに対し、「全く魅力的でない」は4・9%。別の設問で「ぜひ観光に行ってみたい」との回答者は9・8%で、魅力度ランクで最下位の茨城より低率だった。田中氏は理由として「滋賀と言えばこれ、という強みがみられない」と分析する。

 温泉やレジャー施設、街並みなど16の地域資源ごとに「魅力を感じるか」との設問で、滋賀は全国10位以内がゼロ。特に地場産の食材や食事に関する評価は40位台に落ち込んだ。「おいしいものを求めて北海道でも沖縄でも行く時代。魅力的な食がないと、観光にはつながらない」

 土産物や温泉・レジャー施設、宿泊施設の評価も30位台後半にとどまった。一方、「自然が豊か」「優れた伝統的技術」は10位台前半と健闘した。

 田中氏は、滋賀のブランド力を高めるキーワードとして「食」「琵琶湖」を挙げた。

 食のイメージ戦略は即効性があり、「東京には良い牛肉がない。近江牛をもっと打ち出すべきだ」。素材ではなく、ステーキやすき焼きなど具体的なメニューの発信が重要だという。

 琵琶湖に関しては、湖上スポーツなどの「体験」をより押し出すことを提言。全体をブランド化するのは難しく、「ここにしかない、小さなものに一点集中した方がいい」と総花的なPRに陥らないよう呼びかけた。

 セミナーを主催したのは県の外郭団体で、観光振興を担う公益社団法人「びわこビジターズビューロー」(大津市)。担当者は「これまでは県内の多彩な観光情報を満遍なく取り上げてきた」と、地域バランスに配慮してきた側面を明かす。今後の観光戦略について、同ビューローの佐藤良治会長は「近江牛など特定のブランドに絞り込んで売り出す必要がありそうだ」と語る。

 今回、滋賀は魅力度の点数を上昇させたものの、他府県の伸びが上回り、相対的に順位を落とした。ただ20位台後半の自治体との点差は小さい。滋賀が来年以降、巻き返す余地は十分にありそうだ。

【2019年01月14日掲載】