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医療機器の比率、3割へ

NISSHA 鈴木順也社長
切り開く2019


鈴木順也社長
鈴木順也社長

 ―世界経済の減速懸念が広がっている。
 「米中貿易摩擦の影響もあり、不確実性の高い1年になる。足元で進みつつある円高も大いに警戒すべきだ」

 ―主力のスマートフォン向け部品需要は。
 「2018年上期は厳しく、新製品が発売された下期に拡大した。スマホは需要の変動が大きく、製品の機能差もなくなってきている。価格競争に備えたコスト対策のため、中国企業と合弁会社を立ち上げた。今年から生産を始める計画だ」

 ―中核製品の生産を中国に移す狙いは。
 「古い製品を中国に出し、新製品は国内だけで作る。季節によって工場の繁閑差が激しいため、あふれる受注を中国に移して国内の設備投資を抑える。IT事業は稼ぎ頭だが、バランス経営のため構成比率を下げていく」

 ―16年に参入した医療機器事業の展開は。
 「米企業の買収で心疾患向けのウエアラブルセンサーや消耗品の手術器具を米欧で販売しているが、成長の核は大手メーカーからの受託生産だ。今後は国内生産も検討する。足りない製品をM&A(企業の合併・買収)で増やし、将来的に医療事業の売上高比率を3割程度に高めたい」

 ―祖業でもある商業印刷は東京地区の事業売却を決めた。
 「収益が厳しく、譲渡を決めた。事業は切り離すことも重要だ。主力部門であっても時代に応じて変えないと生き残れない。変化は進化でもある。技術や強みを軸に、今後も事業を組み替えていく」

「人間能力結集時代」

 事業がグローバル化する中、多様化する社員の力を一つの方向に結集する必要がある。人工知能(AI)の進化に伴って人の役割は価値創造型の労働へと比重が移る。企業の成長にはこれら人間能力の発揮が欠かせない。

【2019年01月20日掲載】