京都新聞
紙面特集

長坂コレクション ヨーロッパ絵画展
~バロックから近代へ
美術館「えき」KYOTO

オノリオ・マリナーリ 「聖チェチリア」

正統派の極み。

 「長坂コレクション」は長野市などで自動車部品の修理・販売を行う長坂バロックの代表取締役会長・長坂剛氏が約30年かけて集めた。多くは伝統手法で描かれた正統派のヨーロッパ絵画で、優しく美しい作品が多い。17世紀のバロック美術と19世紀の近代絵画を中心に58点を展示する。

 「聖チェチリア」は花冠をかぶり、鍵盤楽器を弾く女性の顔に光が当たる。彼女は何を見つめるのだろうか。「占い師」は人物の探り合うような表情が、明暗をつけた描き方によって強調される。明暗の強さや劇的な構図はバロック絵画の特徴である。

 「ヴェネツィア」の青空、行き交うゴンドラ、沿岸の豪邸などは誰もがあこがれる風景だった。「窓辺の子供達」は聖母子のような構図で、洗練された衣装の子どもたちを描く。「青いストッキングをはいた女流詩人」は、18世紀のロンドンで始まったブルー・ストッキング運動にちなむのだろう。

 高い技術で描かれた作品群が当時のヨーロッパの雰囲気を伝える。

ロベルト・ナドラー 「ヴェネツィア」 19世紀末
フィリップ・リンド 「窓辺の子供達」 1859年
ルーメン・ポルテンヘン 「占い師」
ジョルジュ・ルフェーヴル 「青いストッキングをはいた女流詩人」 1870年頃
案内
† 会   期7月4日(木)~28日(日) 会期中無休
† 会   場美術館 「えき」KYOTO (京都市下京区、ジェイアール京都 伊勢丹7階隣接)
† 開館時間午前10時~午後8時 (入館は閉館30分前まで)
† 主   催美術館 「えき」KYOTO、京都新聞
† 協   力長坂バロック株式会社
† 入 館 料一般1000円(800円)、高大生800円(600円)、小中生600円(400円)※かっこ内は障害者手帳提示の人と同伴者1人の料金
† 問い合わせジェイアール京都伊勢丹 075(352)1111
† 関連イベント「ギャラリー・トーク」(千足伸行・成城大名誉教授、広島県立美術館長)7月14日(日)午前11時30分、午後2時30分(各回30分)。申し込み不要。入館券が必要。ほかに「バロック音楽ウエルカム演奏」を7月20、21日に行う。
【2019年7月3日付京都新聞朝刊掲載】