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報道写真家の石川文洋さん日本縦断 「心に触れた時シャッター」

日本横断の旅で甲賀市内の旧東海道を歩く石川さん(同市土山町)
日本横断の旅で甲賀市内の旧東海道を歩く石川さん(同市土山町)

 ベトナム戦争など戦場の取材で知られる報道写真家の石川文洋さん(80)=長野県=が、昨年7月から徒歩で日本縦断の旅を続けている。14日には甲賀市に入り、土山町から水口町まで旧東海道などを独りで歩いた。「かつて大勢の人が歩き、今は大型トラックが行き来する。歴史も感じ、今の日本も分かる」と道中の光景を写真に収めた。

 石川さんは1964年にベトナム戦争の取材を始めた。65年から4年間ベトナムで暮らし、戦況を伝えるルポや写真集を出版した。その後もカンボジアやラオス、アフガニスタンなどで紛争地の取材を重ね、約60冊の著書がある。

 石川さんは「歩いていると自由に想像力が働き、楽しい」と、2003年に5カ月かけ徒歩で日本を縦断した。10年前に心筋梗塞を患い今も服薬が必要だが、80歳を迎えて「自分への挑戦」として18年7月に北海道稚内市をスタート。6月上旬に沖縄県庁に到着する予定を立てる。「前回は1日30キロ歩いたが今は15キロが限度」という。

 この日は午前9時ごろに三重県亀山市を出発し、鈴鹿峠旧道を歩き土山町へ。厳しい冷え込みの中、国道1号や旧東海道を歩いて、水口町のホテルに午後7時ごろ到着した。「何か心に触れたときにシャッターを押す。歩いているとその機会が多く、カメラマンにとってそれは喜び」。特に、つづら折りの旧道の風景と国道1号を疾走する大型トラックの対比に「過去と現在が交差して面白い」と感じたという。鈴鹿峠だけで約30枚撮った。

 今回の旅で一番印象深いのは福島県の現状だと語る。「避難した人たちは新たな場所で生活を始め、戻って来れない。戻った人は一生懸命だが、町の活気の無さを見て、原発事故の取り返しのつかなさを感じた」

 15日は湖南市、16日は大津市を歩き、17日に京都市に到着する計画だ。

【 2019年02月15日 08時52分 】

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